座間ゆたか農園について

座間ゆたか農園とは

座間ゆたか農園は、神奈川県座間市で農業を営むミニマム農園です。2012年末の父の他界を契機に農業を引継ぎ、現在は夫婦と色々な方々(親族であったり近所の畑のおじさんであったり……笑)の協力の下、日々畑と田んぼを耕しています。

モットーと営農理念

当園では「オオマジメにずずなし」をモットーに「畑から食卓へ安心と安全をお届けする」ことを営農理念としています。

「ずずなし」とは神奈川県央と湘南あたりの方言で「横着」や「なまける」なんていう意味があります。少し昔はぐうたら怠けている子供を叱る時に「ズズナシしないの!」なんて使ったりしました(=使われました)。

しかし、ではなぜモットーが「オオマジメにずずなし」なのか、それについてはまず当園の3つのこだわりからご説明したいと思います。

「ずずなし栽培」3つのこだわり!

当園では、自然と調和した農業を目指して、以下の栽培方針を組み合わせた栽培方法である「ずずなし栽培」に取組んでいます。ここから、その3つのこだわりと特徴についてご紹介いたします。

こだわり1:基本水やりなし(マルチ栽培)

植物の成長に欠かせない3大要素はN・P・K(窒素・リン・カリ)と言われています。しかしそれ以前に必須なのが「水」です。しかし当園では基本的に人為的な水やりは行いません。

当園では代わりに稲の藁や黒いビニール製のシート(マルチシート)で土の表面を覆い、土中の水分や養分の流出を防ぐ方法を採用しています。

これにより、過度な水やりを避け、植物が限られた養分を効率よく摂取できるよう補助することで「味の濃い」野菜の育成に取組んでいます。

こだわり2:農薬除草剤の不使用・減農薬

畑に生える「雑草」は、古来より農家の天敵です。しかしそんな憎い雑草も、それぞれの雑草が主に必要とする養分が異なるため、特定の野菜の連作等で偏った土中の成分や微生物のバランスを整えたりする働きもあったりします。

当園の野菜は、主に耕運機で除草作業を行うので、完全には雑草の根が除却されません。水稲(お米)については、周辺圃場への影響があるため一部除草剤を使用しますが、最低限の使用(初期1回、中期1回等)に限ることで、稲と雑草を共存させるよう努めています。

このように野菜・お米を問わず、適度な雑草の力で土壌の養分の偏りや病害等を防ぐとともに、農薬に頼らない栽培管理に努めています。

こだわり3:化成肥料不使用の緑肥栽培

当園では化成肥料はもちろん、堆肥等も使用しません。その代わりに、空気中の成分を栄養素に換えたり土壌のバランスを整える機能のある「緑肥」と呼ばれる植物を利用した土づくりに力を入れています。

また植物の3大栄養素の1つに「窒素」がありますが、昨今、過度に土壌へ供給された残留窒素の乳幼児への影響や地下水汚染等の環境負荷が問題視されるなど、農業と食の安全性について考え方が多様化しています。

当園では、緑肥植物を用いて必要最低限の養分を供給することで、CO2や残留窒素等を軽減し、自然の循環と調和を重視した農業に取組んでいます。

良いものは取り入れるのも「ずずなし栽培」

ただし、あくまでも当園は、現代の農薬の安全性や先人の知恵である慣行栽培技術を否定しているわけではありません。むしろ当園の理念に合う技術は積極的に取り入れていく必要があると考えています。

例えば、そもそも上述の緑肥やマルチ栽培は、従来から広く用いられている栽培方法の一種です。ただ、当園の「自然に任せる」という方針に合致するため、栽培行程に組み込ませていただいています。もちろん、緑肥は初期効果が薄い、マルチの設置と除却が面倒等のデメリットも伴いますが、その点の手抜きは一切いたしません。

なぜ「オオマジメにずずなし」なのか

このように当園では、前述の原則のもと栽培を行っていますが、どの行程もあくまでも自然の力を頼りにしています。

そのうえ私たちは、肥料はおろか水さえやらないので「ほったらかして」栽培していると言っても過言ではありません。明らかに「ずずなし」な栽培方法です。

しかし、自然の力を借りて放任するからこそ、土づくりの行程から始まり、マルチの施工や除草管理など、人間が手を加えられ得る部分には責任を以て誠心誠意取組み「オオマジメに」ほったらかしています。そういった意味を込めて、私たちは「オオマジメにずずなし」をモットーとさせていただいています。

私たちの使命とちょうど良い規模

私たちは有機栽培等の技術だけでなく慣行栽培の技術も尊敬し、当園の理念と目標に合致するものは、積極的に使わせていただきます。

しかし、例えば殺虫剤等の農薬や化成肥料については、当園程度の畑作規模であれば使用する必要はないとも考えています。

そして農薬や化成肥料を使用しなくてよい規模だからこそ、自然の循環のなかで育った安全で「ひと味違う」作物を安心して食べられるよう、畑から食卓へ直接お届けすることが私たちの使命だと考えています。

言ってみれば、私たちにとっては、農薬や化成肥料を使用しないで良い規模が「ちょうど良い規模」なのかもしれません。

この先、当園がどうなるかは良くも悪くもわかりませんが、先祖代々の農地を守って行きたいなどと偉いことは言えないまでも、お客様や地域の方々、支えてくださる皆様へ僅かでも恩返しができるよう、ちっぽけな若造農家なりに頑張っていきたいと思います。

今後とも何卒、座間ゆたか農園をよろしくお願いいたします。敬具